何が分かったのか
JROADHF-NEXTに登録された心不全入院患者のうち、退院時の尿検体でUACRを測定できた3,107人(年齢中央値76歳、男性62%)を解析しました。UACRによりA1(30 mg/gCr未満)、A2(30〜300)、A3(300超)の3群に分けています。
数字で見る結果
年齢・性別・退院時eGFRを調整した1年間のeGFR変化はA1で−2.4、A2で−4.2、A3で−5.1 mL/min/1.73m²でした。2年間の腎関連イベントは全体で195人(6.3%)に発生し、A1 4.6%、A2 7.5%、A3 13.6%と段階的に上昇しました。A1に対する調整オッズ比はA2で1.83、A3で3.69でした。全死亡も、既存の心不全リスク指標を調整後なおUACR高値群で高い関連を示しました。
患者にとっての意味
UACRは尿検査で比較的簡便に測れる指標です。心不全退院後は心臓だけでなく腎機能を継続して確認する必要があり、UACRがフォローの強度を考える材料になり得ます。ただし、単独で診断や治療方針を決める検査ではありません。
受診・第二診療意见で確認すること
心不全の病型、うっ血、eGFR、UACR、糖尿病・高血圧、薬剤、再入院歴をまとめ、循環器と腎臓の両面から評価を受けることが重要です。海外から日本で相談する場合も、退院時と直近の検査値を時系列で揃えると判断が進みやすくなります。